NPO/NGOの最近のブログ記事

 2003年11月に、NPO研修・情報センターの世古一穂さんをラブスサポートセンターの主催講演会「協働のデザインを考える」でお呼びした。
 世古さんは、日本のNPO法(正式には、特定非営利活動促進法)を作った立役者と言われ、行政とNPOとの協働については日本屈指の人だ。世古さんの話は、岐阜でのインタープリター時代に研修のため岐阜県庁で行政職員に紛れ聴いたのが初めてだった。世古さんは非常に切れる語り口で、このとき、行政とNPOとの協働のあり方や「ファシリテーター」という役割を初めて考えさせられた。
 それ以来、NPO職員として行政との協働の場で仕事を行って来た。ラブスサポートセンターの理事の協働という意識の共有化と大和市で勧めている協働事業推進会議の整理のきっかけとしてお呼びした。サポートセンターの理事のほか大和市の行政職員、市内および近隣のNPO・市民団体関係者が参加した。
 世古さんの話は、やはり切れる話だった。話の中で印象的だったのは、次のようなことだった。
 ――非営利・官の「行政」を第一セクター、その対極にある営利・民間の「企業」を第二セクターとすると、従来「三セク」と言われていた行政の外郭団体は、第三セクターではなく、1.5セクターである。現在、非営利・民間のNPOや市民団体(市民セクター)が本来の第三セクターであり、行政の外郭団体(いわゆる「三セク」)に奪われている営利・官のセクターを取り返さなければ、日本のNPOの自立とは言えない。――
 行政の外郭団体は、やたらと多い。○○市○○財団とか○○県○○公社とか。また、福祉系の最大団体の社会福祉協議会(通称:社協)の存在もあやしい。日本のNPOは、これらに戦い、本来の「三セク」を奪い取ることができるかNPOの底力の見せ所だ。

   「協働」について語る世古さん
   「協働」について語る世古さん

※この書き込みは、2003年11月14日にされたものを再アップしています。